木村秋則さんの講演
自然栽培でのりんごつくりに成功した木村秋則さんの講演会が沼田で行われた。
農業共済の方々の主宰で、よく意図がわからなかったが、参加させていただいた。
木村さんの講演は今度の4.5日に横浜で行われる、グリーンEXPOでも聞くことができる。食品の裏側の安部さんの話も聞けますよ。
でもせっかく沼田に来てくれるなら聞いてみたい。。セイイチサンに招待券を譲ってもらい、せっかくだから。。と群馬の友人に声をかけたら全部で10人すぐに集まった。
沼田、伊勢崎、渋川、先日一緒に講演した吾妻の野良女子タカハシさんも。気づくと群馬で規模は小さくても自然農を実践している(興味ある)仲間も増えたもんだな。。と驚く。
そして、もっと驚いたのがものすごい集客だったってこと。
利根沼田の人はあまり興味がないだろうに。。どんな意図で??って思っていたけど、私の認識が甘かった。利根沼田の農家さんたちは自然栽培がどんなものか、話を聞いてみたいんだな。。
定員以上の350人も集まったそうだ。
なんせ沼田の本屋さんで「奇跡のリンゴ」の本がベストセラー!なんだって。
だから主宰した農業共済の方々はすごいな。。って思った。
集まった人の中で実践者はどれだけいたのかわからないけど、実践者の私達としては木村さんがどんなお話をされるのか、ものすごく興味深かった。
木村さんの本はもちろん読んでいる。10年近く無収入でそれでも無農薬りんごを諦めなかった。
最近新しい本も発売したし、そういう人生話かな。。とか。
私が一番興味があったのは川口さんの「自然農」と木村さんの「自然栽培」の違いだった。
木村さんはその違いをはっきり「あくまで経営として、栽培するんだ。」って書いてあるけどその辺どうなんだろう。
で、講演が始まり、すっごく意外な事に「自然栽培」とはとかよくある精神的?哲学的?な話ではなくて、いきなり自給率や死亡原因の比較、農薬使用量など、自分でつくったデータをもとにした話から始まった。
「これだけ自給率が低い国はない。輸入に頼りすぎて滅びようとしている国が現在あるんだ。」とか「中国餃子事件どころではなくて農薬、除草剤、肥料を一番消費しているのは日本だ。」とか。
「今、食を大切にしなくては!」とか。
とにかく今の日本の食や農について熱く「このままでは駄目だ!!今変わらなくちゃ!」と訴えていた。
すごく意外〜。
私も6年前に本だけだったけど、そのような内容を読んで知って、行動に移した。
そんな経由で私も自然農にいたったわけだから、まったく同感だった。
ただ一つ抜けていたのは私の場合その中に「家族」が入る。食、農それに、家族を大切にできなければどんないい事しててもね。。だから木村さんの奥さんの話も聞いてみたいんだな。。どんな風に支えてきたんだろう。。って。
自然栽培の作物、有機栽培の作物、スーパーの作物の3つの同じ作物を腐敗試験の話もしてくれた。
これは先日ブログに書いた有機栽培との違いを証明してくれたようなものだった。
次に自然栽培の具体的な話が聞けた。全国の実践者の話もあった。
木村さんの話を聞いて思ったのは、木村さんの話は農家向けだということ。
木村さんの方法は一度トラクターで耕すし、マルチも使う。だから農家さんが自然栽培に切り替えるにはすごくいいと思った。
でも私達みたいな新規の移住者には川口さんの自然農の方が向いている。
カマとクワだけでできるし、「持ち込まない、持ち出さない。」「耕さず、虫や微生物の亡骸が層になって肥やしになり土をつくる。」っていう自然農の考え方が、自然の生態系を活かし、持続可能でライフスタイルにも通じるものがある。
しかし木村さんからも学ぶものはたくさんあった、自然農だと精神論が多いが、具体的な本当にビジネスとしての話が多く聞けた。
それに作物にたいする愛は変わらない。作物にも心があるんだってこと。
私達も「自然農」のいいところと「自然栽培」のいいところを参考にして、まぁ名前はどっちでもいいけど、自分達の形を作っていこうと思いました。
どうもありがとうございました。
そうそう、木村さんがきゅうりのひげが巻きつきますか?って話をしていたのでセトヤマさんがこっそり畑で指をだしたらすぐに巻きついてくれたんだって。
「きゅうりと友達になった気がしませんか?」って言う木村さんの笑顔が素敵だったな。