脳味噌加工は難しい。。
今日の糀作業は米を蒸かす日でした。
今年、落ち込み気味のキヌエ婆さんを誘ったのはご近所のカヲル社長が「脳味噌」を少し「いいからかん」に加工するためだった。。
しかし。。久々に会うキヌエ婆さんはまた落ち込み気味で。。
「ここに来ている時はいいけど一人になると。。」何をしていても張り合いがないと言う。。
キヌエさんの旦那さんは2年近く入院していて、何日かに一度はシルバーベンツで25分かけてバス停まで行き、40分かけてバスに乗りお見舞いに行く。
そのバス料金も往復3千円くらいかかる。
子供たちは片品を出ているし。お爺ちゃんと一緒に営業していた直売店。営業したくて、野菜を作っても運転できないから作業できる範囲も限られ、収穫しても運べない。
だから、加工所に来る以外、何しても張り合いがないのだ。
私もカヲルさんも、ノリコさんもそんなキヌエさんの気持ちを思うと何も言えない。。
ただ「じゃあ、加工所終わってもたまには集まるか!」とか「キヌエさんの気持ちわかるよ。」とか言って聞いてあげることしかできなかった。
そんなキヌエさんが今まで人に貸していた畑が空いたからみっちゃん達に作って欲しいと言われた。
その畑はこの辺りの一等地にある。一等地ということは目立つ。。
正直今は忙しくてできないし、私達の自然農では周りにどう思われるのか。。
「みっちゃん、今年はできなくても権利つけとけ!」ってカヲルさんは言うけど。。
「いや、大丈夫。俺はみっちゃん達以外には貸さないから。」って言ってくれて。。
偶然にもよっちゃんファームの地主さんでもあるキヌエさん。
私達を信用してくれているからこその言葉。。
最近、畑を無料で良いから借りてくれ!って言ってくれる人がどんどん増えてきて、ありがたいけどそんなにはできない。でも私達ができなければその土地は耕作放棄地になる。
この話は本当に深刻な問題で、全て受け入れたいけど、安易には受け入れられない。セトヤマさんと真剣に話をしながら自分達にできる範囲でやっていくしかない。
そして、もう一つ深刻な問題。
キヌエさんが帰った後、カヲルさんとノリコさんとキヌエさんの一等地畑を見に行った。
カヲルさんは「ここで降ろして!」とフキを採りに。。
嫁のいないカヲルさん。82歳になっても現役で家事をこなす。アミさんいわく「今から変な嫁が来てもしょうがない。カヲルさんが元気なのは嫁がいないからだ!」
ノリコ婆さんは事情があって、高校生と中学生の孫を育てている。。
この二人のような家庭がすごく多いように感じる。
じゃあ、現役で元気なこの世代がいなくなってしまったら、どんな世の中が待っているのだろうか??
カヲルさんとノリコさんが必死にフキを採っている中、一人考え込んでしまった。。